ボーカルレコーディングにとってバンドサウンドやトラック(2MIX)のオケと声とのバランスを上手く調整することは、とても重要です。
喉や耳に余計な負担をかけず、最後まで良い声で録音できるモニターのコツを紹介します。
ボーカル録りの前に準備しておくと良いこと
バンドサウンドやトラック(2MIX)などのオケが歌いやすい状態になっているか確認する。
いざレコーディングしようと思ったとき、各パートの音量バランスが悪かったり、効果音などが目立ちすぎていたりすると、歌いづらくて良いテイクにならないですよね。パフォーマンス向上のためにも、ヘッドホンから聴こえるモニターの音を自分好みに調整しておきましょう。
例えば・・・
リズムが見えにくくて歌いづらい場合、
・ ドラムやベースを大きめにヘッドホンに返す。
・ 見えにくくなっている周波数はEQで調整する。
コーラスが大きすぎて音が取りづらい場合、
・ コーラス全体の音量をミュート(消音)または下げる。
・ メインボーカルと被る部分だけ音量を減らす。
ストリングスやギターソロなどが邪魔して歌づらい場合、
・ 歌うのに差し支えないのなら、ミュートする。
・ 歌にかぶる周波数帯を減らす。
ヘッドホンモニターの調整手順
1 まずヘッドホンを外した状態で声を出し、歌う時の声質や声量を確認する。
これから録音する歌い方で声を出し生声を確認しておくと、モニターからの返しの声を判断する目安になります。
2 ヘッドホンをつけてマイク越しの声を聞き、片耳を外したりしながら、生声とヘッドホン越しの声との音量差がなくなるようにモニターのつまみを調節していく。
返しの声を自分がいつも聞いている声に近い状態にすると、音程や音量がコントロールしやすくなります。
3 バンドサウンドやトラックのオケを流し、歌いやすい音量のオケをヘッドホンに返す。
自分の声を上げずにオケを調節すると、必要最小限な音量になり、喉や耳に負担の少ないモニター環境が作れます。
4 必要なら、声に自然なリバーブをかけ、歌いやすくする。
リバーブの有る無しで、声の切り際や音の長さといった歌い方が変わってくるものです。仕上げのミックスでリバーブを深くかけたい場合は特に、録音時に仮のリバーブをかけておいた方がイメージも湧き、良いパフォーマンスになるでしょう。
良い声で録音するコツ&まとめ
ボーカルレコーディングは楽器が生もの(声帯)なので、モニターの影響を受けやすいです。聞こえてくる声が大きいと生声は小さくなり、逆に小さいと大声で歌ってしまいがち。ヘッドホン越しの声を生声に近い状態にしておきましょう。
モニター環境が整うと、声をコントロールしやすく、表現もしやすく、喉や耳に余計な負担をかけません。最後のテイクまで歌い切るためにも、ヘッドホンモニターをベストなバランスに調整しておきましょう。
※注
ロックやヒップホップなどのジャンルやミュージシャンのタイプにより、大音量でモニターすると良い声になる人もいます。その場合は、喉や耳への負担を考慮しつつ、自分好みのモニターバランスにしてから録音すると良いですね。
以上、私の経験上おすすめな、ボーカルレコーディングのコツ、モニターヘッドホンの調整法を紹介しました。
また新たなコツを発見したら、紹介したいと思います。
コメント
リズムが見えにくくて歌いづらい場合、
・ ドラムやベースを大きめにヘッドホンに返す。
・ 見えにくくなっている周波数はEQで調整する。
コーラスが大きすぎて音が取りづらい場合、
・ コーラス全体の音量をミュート(消音)または下げる。
・ メインボーカルと被る部分だけ音量を減らす。
ストリングスやギターソロなどが邪魔して歌づらい場合、
・ 歌うのに差し支えないのなら、ミュートする。
・ 歌にかぶる周波数帯を減らす。
↑上記の記述について、あなたはボーカリストとして、また、ミュージシャンとして大変素晴らしい方だと敬服しました。ただ、歌うことが好きなだけではなく、勝手な推測ですがギターなり、ピアノなり、楽器演奏ができる方とお見受けしました。
各楽器隊(プレイヤー=演奏陣)のEQの周波数分けまでご理解されていることは、プロデューサー兼ミックス&マスタリングエンジニアの私から見れば驚愕です。恐らく、プロでご活躍されていると思われますが、益々のご健勝を祈念いたします。もっと早くあなたのような素晴らしいアーティストに出会いたかった・・・です。
温かいお言葉ありがとうございます。
わたしはボーカル以外にもピアノや民族楽器を演奏しています。日々スタジオに関わっていますのでEQ等の知識も理解するようになりました。記事の内容やミュージシャン性を褒めていただき、音楽をやっていて良かったと、嬉しく思います。
通りすがりのエンジニアさんの益々のご健勝を祈念いたします。ご縁があれば、出会えるかもしれませんね。